佐田岬半島の自然

四国最西端の池「阿弥陀池」には魅力がいっぱい!

阿弥陀池

日本一細長い佐田岬半島。
その先端にほど近い場所にある池、それが阿弥陀池です。
ここは「佐田岬半島宇和海県立自然公園」に指定されているところ…。
そして、この池は海水と淡水が交わるいわゆる汽水湖となっていて、約5haの広さがあります。
そこにはボラやウナギ、コイなどが生息しています。
また、野鳥の種類も多く、渡り鳥の羽休めの場所にもなっているようですね!

この池の特徴のひとつに、四季折々の景観があります。
とくに、冬の朝、冷え切った空気の中でみる蒸気霧は幻想的です。
機会があれば、ぜひ見て頂きたいシーンのひとつです。

人々に親しまれている池…。

阿弥陀池湖面ここ阿弥陀池は海がせき止められて出来た海跡湖といわれています。
どのような経緯でこのようになったのかは定かではないですが、池と海が水路でつながっていることもあり、海水と淡水が混ざり合う汽水域になっています。
そのため、ボラやウナギ、コイ、エビなど海水と淡水に生息する生物が同居しています。
近年、ルアーフィッシングのターゲットとして名高いブラックバスやブルーギルなどの繁殖も確認され、県内外からアングラー達が集まる有名ポイントになっています。
その影響なのか、池に生息する生物たちにも変化が出てきているようです。
やはり、外来種のブラックバスによって生態系が狂ってきたのかもしれません。
現に、愛媛県のレッドデータブックによると、この阿弥陀池にはワカサギも生息していたようです。
どのような由来でここに生息していたのかは不明だったようですが、最近ではその姿を全くみることができません…。
この池以外にも繁殖力の強い外来種の影響で在来種の繁殖が減ってきて絶滅の危機にある例は良く耳にします。このような問題も認識する必要がありますね!

また、この池の水は柑橘栽培などの農業用水としても利用されています。この地域に住む人々にとって大切な水源になっています。

阿弥陀池にまつわる民話

阿弥陀池ベンチこの阿弥陀池の周囲には遊歩道が整備されています。
桜や紫陽花など、四季折々の景観を楽しむことができ、周辺の方々が散歩などを楽しむ光景をよく見かけます。

また、この阿弥陀池には民話が残されています。
それをご紹介します…。
ある日、大島(八幡浜沖にある島)から竜王様という大きな蛇が井野浦部落へやって来ました。
そして、村の大将の人の所にやって来て云うには…、
「けっしてわやく(悪いこと)をしないからこの池を私のものにしてくれ!」
すると村の大将は…、
「絶対にわやくはしないか!?」
蛇…、
「絶対しない!」
大将…、
「お前がしなくともお前の子や孫がわやくしないとも限らないから池をやることはできない!」
と大将は答えました。
こんな押し問答の末、とうとう池をもらえなかった竜王様は怒って大島へ帰って行きました。が、帰る時には雨が降り雷が鳴ったということです。
そして、村人達は竜王様が二度と来ないように池のほとりに阿弥陀様を奉りました…。

このような民話も残っている阿弥陀池。
のんびりとした時間が流れる中で自然観察などされるのもおすすめです!
ぜひ、訪れてみてくださいね!
*釣りやキャンプ等、アウトドアを楽しまれる方は、地元の方々の迷惑にならないように気配りをして楽しんでください。

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