佐田岬半島の自然

四国最西端に位置する愛媛県・佐田岬半島とは…。

佐田岬半島③

四国の西北端に位置する佐田岬半島。
東北東から西南西の方向、つまり九州方向に突き出るように細長くのびるこの半島は、その長さは約40kmあり、南北の幅が広いところでは約6km、狭いところではわずか0.8kmしかありません。
半島の先端には佐田岬燈台があり、眼下の豊予海峡を航行する船舶の安全確保に役立っています。また、その歴史は古く、今年(2017年)で100周年になるようです。
半島の北側に瀬戸内海と南側に宇和海、そして対岸の九州との間には豊予海峡と三方を海に囲まれています。また、半島を構成する山々は比較的低く、最高峰の伽藍山でも約414mしかありません。

佐田岬半島ならではの自然環境

佐田岬半島①東西の長さ約40kmの佐田岬半島。
一般的に半島とは三方を海や湖に囲まれ、それらに突き出た形になっている陸地の一部分のことをいい、岬はその規模が小さいものを意味するようなのですが、その両方を意味するこの半島は珍しいようです。
ここ佐田岬半島は細く長い地形と、半島の北側は瀬戸内海、南側は宇和海に囲まれていることから独特の自然環境にあるようです。
例えば瀬戸内海側は夏は比較的穏やかで冬は北風が強く荒れた天気になることが多く、宇和海側は夏に台風等、熱帯低気圧による影響を受けやすく、その反面、冬は比較的穏やかです。
それらの環境の違いから、海や山の幸にも少し変化があり、その両方を楽しめることができるのも楽しいところです!

特異な形状の佐田岬半島

佐田岬半島②ここ佐田岬半島は日本一細長い半島として知られていますが、それは沈水山地によるものだと考えられているようです。
まさしく、山が海に沈んで出来た山地と海岸とから構成されているので、一般的に川といわれる川がなく、平地もほとんどありません。
そのような地形なので、この半島に住む人々は急傾斜を切り開き、道路や宅地、そして段々畑による耕地を造り上げて来ました。
しかし、雨季には地すべりが多発し、そのような生活環境を破壊することもしばしばあります。
このような厳しい自然環境が「陸の孤島」と呼ばれてきた経緯かもしれません。
しかし、この独特な環境がもたらす恵みも多く、急斜面に開拓された段々畑の耕地でとれる柑橘や、複雑で宇和海と瀬戸内海、そして豊後水道がもたらす海産資源も豊かです。
そして、なんといっても独特な景観はこの半島の財産といっても過言ではないでしょう!
昭和37年に国道に昇格した197号線は、当時、「行くな(197)国道」といわれるほど交通事情が悪かったことを思い出します。しかし、現在はメロディラインと称される頂上線が開通し、三崎港から九州へのフェリーの定期便も多くなり、飛躍的に向上しました。

このように、少しづつですが生活環境が整ってきた佐田岬半島。
しかし、過疎化の勢いは衰えることがなく、大きな課題になっていることは否めません。
この独特な地形とそれを活用した産業…。
課題は山積していますが、ここに住むひとりとして考える時がきているように感じます。
今後、このブログを通じて、様々な情報を発信していけたらと思います。

「さつまいも尾根にまでのびて両側に釣り船の浮かぶ瀬戸と宇和の内海」

この句に何かしらのヒントがあるように感じる今日この頃です…。

コメント

  1. 浦崎 正美 より:

    広島から沖縄への空の旅で初めて見た佐田岬半島のフォルムが忘れられません。以来、会員1人のファンクラブを作っています。いつか行くのが夢です。

    1. 宮部元治 より:

      コメント、ありがとうございます。
      ここ佐田岬半島は日本一細長い半島といわれています。
      この独特な地形と自然環境のすばらしさ、そこの住む人々の暮らしや文化・歴史を少しでも多くの方々にお伝えすることができればと考えています。
      これからも当ブログをよろしくお願いします。

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