佐田岬半島の自然

佐田岬半島で唯一の国指定天然記念物・三崎のアコウ!

アコウ樹③

1921年、大正10年3月3日に国の天然記念物として指定された三崎のアコウ樹。
この樹はクワ科の亜熱帯植物で、三崎港西海岸によく見られます。
この辺りがアコウ樹の生育の北限ともいわれています。
現存する4本のうち、最大のものは樹幹の周囲が14mにもなるようです。
近くでみると、その大きさに圧倒されます!
また、1921年(大正10年)に天然記念物の指定を受けたこのアコウ樹は四国最古級だとか…。
ちなみに、宇和海側沿岸の岩礁地帯にもアコウ樹を確認することができます。

アコウ樹のおもしろい特性…。

アコウ樹②このアコウ樹で注目したいのは気根と呼ばれるカズラ状の根が高い枝や幹のいたるところから垂れ下がり地面や岩に張り付きます。
そこに根を張ると、やがて樹幹に変わり、そこから新しい枝を出し、それが成長すると再び気根を下ろすという珍しい性質をもっています。
このサイクルの繰り返しで、どの部分が幹でどの部分が気根なのか見分けがつかないまま、複雑に絡み合って成長していくので、あのような独特の姿になっているんですね!
また、この木が他の木の上で成長していくと、この気根が元の木を被い尽くすようになり、やがて枯らせてしまうことがあるようです。
そのことから「絞め殺しの木」と呼ばれていることもあるとか…。
あまり良いイメージではないですね!

これからも大切に見守っていきたいアコウ樹!

アコウの種このアコウ樹は春に淡い紅色の実をつけます。
実は、これが実そのものではなく、イチジクのような隠頭花序になっていて、花軸の先端が大きく膨らんでこのような壺状になり、その内部に花をつけるようです。まさしく、イチジクに似ているのですが、この実を食べる習慣はないようですね…。
また、葉の方は新芽が伸びると同時に落葉していきます。
しかも、樹冠の片方から徐々に進んで、全枝の葉が生まれ変わるまでには15日から20日もの時間を費やすようです。
このような讓り葉現象も、気根とあわせアコウ樹の特性といわれるようです。
そして、この「アコウ」という呼び方の由来についてははっきりしていないようですが、昔、この辺りの人達は「アコギ」と呼んでいたようです。

ここ佐田岬半島で唯一の国指定の天然記念物の「三崎のアコウ」。
これらも大切に見守っていく必要がありそうです。

国指定天然記念物・アコウの場所


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