佐田岬半島の文化

佐田岬半島ではなくてはならない石垣(石積み)文化!

石垣用の石

佐田岬半島は見ての通り、細長く突き出ていて、平らな土地が少ないところです。
そこで生活するために人々は山を崩して平にして路をつくり、家を建て、畑を耕して来ました。
その際に利用してきたのが「石」だったようです。

道路では法面の補強などに使われ、家を建てる際には造成した土地の補強や台風等の強い風を防ぐ防風対策として建物の周囲に壁のように作られています。
そして、畑では段々畑が崩れないように石を積み上げていたようです。
更には漁港の防波堤も石積みがほとんどだったようです。

現代のようにコンクリートが普及する前は石垣が重要な役目を果たしていたようですね!

安定した強度が保てる谷積み!

谷積みここ佐田岬半島では道路の側面などによく見られる積み方です。
山の急斜面を削って道路を作ることが多く、その為、道路の法面が崩れやすいという欠点があります。
それを補強するためだと思われますが、この画像のように斜めに積み込んでいく谷積みが多く見られます。
この積み方は比較的新しい方法で、他の積み方に比べて安定性が高いので道路や造成工事なので広く採用されていたようです。
この辺りの石は緑色片岩や黒色片岩が多いようです。これらはいずれも結晶変岩の一種で、薄く割れやすい特徴をもっています。

この半島を走る旧197号線を走ると、いたるところにこの谷積みされた結晶片岩を見ることができます!
整然と積まれたこの模様を見るだけでも価値があると思います…。

幅広く使われてきた布積み!

布積み

この辺りで最も良く採用されている石垣の積み方です。
この半島一帯の地質の表面は脆く風化しやすいので地すべりが多いことで知られています。
その為、地すべりによって崩壊した道路や段々畑の修復には石を使うことが多く、とても貴重だったと聞いています。
実際、我が家でも道路の拡張工事の際、みかん畑の買収費の代わりに石をもらったようです。
そのようなこともあり、補修する際には石の種類や大きさを選ぶこともままならず、あり合わせの石を使って補修工事を行っていたようです。
ちなみに、昭和以前から初期にかけて布積みに使われていた石は丈夫で安定性も高く、大きさもある程度統一されていたようですが、昭和中期以降には石垣を補修する職人さんの減少や、資材(補修石)の不足により、石の種類や大きさが不揃いで不安定な石垣になってしまったようです。

また、石垣を築く石として重宝された石に「青石」があります。
最近では庭石として重宝がられていますが、石垣用の素材としても大変貴重だったようで、大切な石垣工事の際には用いられていたようです。
この青石のことを「伊予の青石」と呼び、重宝されたようです。
ちなみに、この半島の様々な場所で青石の石垣が存在していますよ!

半島の色々な場所で見かける石垣…。
それぞれに深い意味が込められていることを感じつつ散策してみるのも面白いですね!

コメント

  1. 加藤忠彦 より:

    加藤です、佐田岬をご紹介頂き感謝いたします。

    1. 宮部元治 より:

      コメントに気付くのが遅くなり申し訳ございません。
      なかなか更新できませんが機会をみて投稿していこうと思います。
      これからもよろしくお願いします!

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