佐田岬半島の名取地区にある客神社。
その創立は寛永年間、1624年~1644年だったようです。
そもそも、当初の氏神は天満宮であったらしい…。
天満宮といえば藤原道真と縁がありそうに思うのですが、どうなんでしょうか!?
寛永年間に客神社を創立し、氏神として客大明神と称したようですが、明治維新の際に客神社と改称したようです。
その後、明治6年11月に村社に列格、明治42年9月には天満神社を合祀したということです。
この神社は本殿、中殿、拝殿、そして鳥居4基、狛犬が1対からなっています。
なかでも注目したいのは鳥居が4基あるということ!
このあたりの神社は2基が多いのになぜ名取の客神社が4基なんでしょうか!?
少し、疑問に思うところですね…。
ここ名取地区は仙台藩とゆかりのある地区です。
神社も何かしら関係があるかもしれませんね!
名取客神社の祭神について…。
各神社に寄って祀られている神は様々…。
ここ名取の客神社では6つの祭神が祀られています。
伊弉諾尊(いざなぎのみこと)は、天地開闢(てんちかいびゃく)における神世七代の最後の神で、信仰においては様々な御神徳があるようです。
伊伊弉冊尊(いざなみのみこと)は、母として多くの子を成した事から「万物を生み出す神」「創造神」「海の神」と信仰されています。
菊理姫命(くくりひめのみこと)は、縁結びの神と呼ばれています。
事解之男命(ことさかのをのみこと)は、事物を明らかにし事態を収拾させる神とも、魔を祓う神ともいわれているようです。
速玉之男命(はやたまのをのみこと)は、日本書紀の神話に登場する唾の神のことのようですが、諸説あるようですね…。
菅原神(すがはらのかみ)は、学問の神として知られていますね!
ちなみに、伊弉諾尊と伊伊弉冊尊は最初の夫婦神だそうです…。
狛犬の表情について!
大抵の神社の入り口付近には狛犬が設置されています。
しかも対になっていますよね!
その口元をご覧になったことがありますか!?
口を開いている方と閉じている方がありますよね。
対で阿吽(あうん)の形をしています。
これの意味は、阿(あ)は初めを、吽(うん)は終わりを意味するようです。
このことから「人生の初めから終わりまで…。」っといった考え方なのでしょう!
仏教においては「この世に生まれて悟りを求め、涅槃(ねはん)に至ること…。」との意味だとか。
この狛犬は大きさや表情が神社に寄って違っていて、その違いを観るだけでも楽しくなってきますよね!?
ここの狛犬は中型で優しい顔立ちです…。
佐田岬半島の先端に近いここ名取地区は約400年前、伊達秀宗が宇和島初代藩主として入国した際に仙台藩の名取地方の人々を同行させて宇和海の見張り役として、また馬を養う兵夫としてこの地に住まわせたともいわれています。
この時期にそれまで天満宮だったものを客神社を創立して氏神とした経緯があることから、仙台藩・名取地区との縁があるのではないかと考えられます。
名取・客神社の場所